
視線を惹きつけようとする時計がある。一方で、こちらから近づくことを求める時計もある。
TORIC Petite Seconde Platinum Morning Blueは、明らかに後者に属する一本です。Parmigiani Fleurierにとってのエレガンスは、表示機能の多さや貴金属の誇示、技術の見せびらかしで測られるものではありません。それはケースのプロポーション、文字盤の質感、ストラップの手触り、そして手巻きムーブメントを巻き上げる所作の中にこそ表れます。
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TORICの新たな解釈は、創業以来Parmigiani Fleurierを貫いてきた哲学を凝縮しています。伝統的な時計製作の知を守り、それを現在へと確かに根づかせること。この考え方は、修復家としての経験がメゾンのアイデンティティを深く形づくったMichel Parmigianiの歩みから直接受け継がれたものです。
TORIC、原点となるコレクション

1996年にMichel ParmigianiがTORICを世に送り出したとき、このコレクションは彼のビジョンを初めて完全な形で表現した時計となりました。その狙いは過去を機械的に再現することではなく、文化や手仕事、原理を守り、それらが生き続けられるようにすることでした。
コレクションが誕生したのはクォーツ危機の余波の中、機械式時計の文化が大きく揺らいでいた時代です。TORICは、オートオルロジュリーの伝統的なサヴォアフェールを守りながら、それを未来へと投影するという明確な意思表明となりました。
古典建築のモールディングのリズムに着想を得た繊細なローレット加工のベゼルは、装飾に構造的な意味を与えています。そのプロポーションには、自然の幾何学、数学的な調和、そして形のバランスに対するMichel Parmigianiの関心が表れています。
30年を経た現代のTORICは、この思索を受け継いでいます。過去の美学を蘇らせようとしているのではありません。むしろ、今日における優れたドレスウォッチとは何かを問いかけているのです。
「TORICで私たちが目指したのは、過去を蘇らせることではなく、それを再定義することでした。ドレスウォッチには、より自由な表現がふさわしかった。より親密で、より触感に訴え、より自信に満ちた表現です」と、Parmigiani FleurierのCEO、Guido Terreniは語ります。
グレネージュ、生きたサヴォアフェールの記憶

TORIC Petite Seconde Platinum Morning Blueは、その文字盤にまでこの哲学を宿しています。
一見シンプルな外観の下には、この作品を特徴づける最も独特な技のひとつが隠されています。18Kホワイトゴールド製の文字盤に、すべて手作業で施されたグレネージュ(grenage)仕上げです。
この古い技法は、Michel Parmigianiの修復の仕事と直接響き合っています。その起源は17世紀にさかのぼり、酒石英、海塩、銀、脱塩水などを組み合わせたレシピに基づいています。メゾンの創業者は修復家として活動する中でこの手法に出会い、守り続け、やがてParmigiani Fleurierの文字盤職人たちに自らこの技を伝えました。
工程はすべて手作業です。
まずペーストをゴールドの表面に広げ、さまざまなブラシを使って円を描くように、あらゆる方向へと動かしていきます。感光性のある銀を含むため、職人は薄暗がりの中で作業しなければなりません。
最初に硬いブラシで表面を整え、続いて次第に細く柔らかい道具へと持ち替えながら粒子を整えていきます。これは単なる機械的な反復作業ではありません。職人は指先で抵抗の変化を感じ取り、銀の粒子が文字盤に定着し始める瞬間を見極めるのです。
仕上がりには、必然的に作り手の痕跡が刻まれます。そのため、文字盤ごとに質感や光の表情が異なります。
こうした個体差は欠点とは見なされません。それこそが、この仕上げに欠かせない人の手の介在、感性、そして判断の証なのです。
Morning Blueでは、このサヴォアフェールがさらに表情豊かになります。グレネージュはもはや単なる装飾仕上げではありません。色に奥行きを与え、光の加減によって文字盤の見え方を変化させるのです。
シンプルさという名のコンプリケーション

表示はわずか3つ。時、分、そしてスモールセコンドです。
しかし、その明快さの裏には、きわめて緻密な構成が隠されています。
文字盤は「シェヴェ(chevé)」仕様で、表面が外周に向かって緩やかに傾斜し、中央部、ミニッツトラック、ケースのあいだに繊細なつながりを生み出しています。この構造は20世紀半ばの立体的な文字盤に着想を得ていますが、ここではより明確な段差によって再解釈され、懐古的、あるいは過度にヴィンテージ調に見えることを避けています。
アルファ針、アプライドインデックス、スモールセコンドのカウンターが、控えめに空間を構成しています。
12時位置では、従来のメゾン名に代わってPFのエンブレムが配されています。この選択もまた控えめさへの意志の表れです。Parmigiani Fleurierのアイデンティティは遠くから主張するものではありません。視線が細部にとどまるほど近づいたときに、はじめて見えてくるのです。
ポリッシュ仕上げの950プラチナ製ケースは直径40.6 mm、厚さはわずか8.8 mm。繊細なローレット加工のベゼルが、手仕上げのグレネージュ文字盤を囲みながら、コレクションの建築的な言語を受け継いでいます。
ここでのプラチナは、見た目と同じくらい感触にも訴えかけます。白く柔らかな色調は控えめでありながら、その密度は時計を手に取った瞬間にはっきりと感じられます。
PF780:メカニズムの核心にあるゴールド

外観の簡潔さの奥には、それだけで注目に値するメカニズムが息づいています。
サファイアケースバックから見えるキャリバーPF780は、18Kローズゴールドで作られた手巻きのマニュファクチュールムーブメントです。ムーブメントの構造部品にこの素材を選んだことで、切削加工と仕上げにはきわめて高い精度が求められます。
その構造は、2枚の大きなブリッジと、目視できる2つの香箱を中心に組み立てられています。
このダブルバレル構造は、Michel Parmigianiの修復経験から生まれた発想に応えるものです。エネルギーをより均一に供給することで、輪列にかかる負荷と摩耗を減らすことを目的としています。
Parmigiani Fleurierでは、こうした機能部品が美的な要素にもなります。2つの香箱は隠されることなく構成の中心に据えられ、見る者にメカニズムの論理を理解させてくれます。
ローズゴールドのブリッジには、伝統的な交差する波模様に着想を得た装飾、Côtes de Fleurierが施されています。ここでも人の手による作業が重んじられ、装飾は電子制御の工程ではなく、カムで動く古いギョーシェマシンを用いて行われています。
部品数はわずか157、石数は27で、PF780の厚さは3.15 mm。振動数は4 Hz(28,800振動/時)、パワーリザーブは60時間です。
さらに手巻きという方式が、体験に親密さを添えています。リューズを回すたびに、所有者とメカニズムが直接つながるのです。ローターがないため、ムーブメントの構造と仕上げは余すところなく眺めることができます。
ストラップにまで宿るエレガンス

Parmigiani Fleurierのこだわりは、当然ながらケースとムーブメントだけにとどまりません。
TORIC Petite Seconde Platinum Morning Blueには、アコヤグレーのヌバック・アリゲーターストラップが組み合わされています。マットでベルベットのような表面が文字盤の質感と自然に呼応し、色のコントラストではなく素材感に基づいた調和を生み出しています。
このストラップには約20の手作業工程と2日間の作業が必要です。6層の素材は手で成形され、組み上げられます。見えるステッチはイタリアのpunto a manoの技法に倣い、短い針目のあとに長めの間隔を置くもので、ナポリの伝統的な手仕事をさりげなく思い起こさせます。
950プラチナ製のピンバックルが全体を締めくくります。
フォールディングバックルではなくピンバックルを選んだことで、ストラップを完全に開くことができ、時計の裏側でムーブメントを眺める際に金属のブレードが視界を遮ることがありません。
こうしてすべての要素が一貫した体験を形づくります。ヌバックの手触り、プラチナの重み、グレネージュ文字盤が拡散する光、巻き上げの所作、そしてローズゴールドのキャリバーとの出会いです。
Morning Blue、色というよりも光
この新しいTORICの名前からは、ブルーこそが主な美的訴求点だと思われるかもしれません。
しかし、そうではありません。
Parmigiani Fleurierにとって、Morning Blueは時計の建築を仕上げる最後の調律として考えられています。色は個性を持ちながらも主張しすぎず、周囲と調和し、流行を超えて意味を保ち続けなければなりません。
Morning Blueが表すのは、まさに空が光を受け始めるその瞬間です。夜の青でもなく、鮮烈な青でもない。柔らかな明るさと節度ある存在感を保った色合いです。
18Kホワイトゴールドの文字盤の上で、この色は手作業のグレネージュによって姿を変えます。表面は光を直接反射するのではなく、無数の微細な凹凸を通して拡散させるのです。
そのため文字盤の印象は手首の角度によって移ろい、よりクールなニュアンスから明るいトーンへと変化します。
Morning Blueは、プラチナの白さやAkoya Greyストラップのマットな柔らかさと対話します。こうして色は主題というよりも、ひとつの空気感となるのです。
現代のためのドレスウォッチ

TORIC Petite Seconde Platinum Morning Blueはドレスウォッチを名乗りながらも、伝統的にそれに伴ってきた装いの制約からは自由です。
テーラードジャケットにもカシミアの装いにも、繊細なニットにも、より肩の力を抜いたスタイルにも寄り添います。そのエレガンスはもはや特別な場面に左右されません。時計をどう身につけ、どう眺めるかという個人のあり方に根ざしているのです。
ここに、Parmigiani Fleurierが掲げる「Private Luxury」の考え方が浮かび上がります。他者からの評価のためではなく、そこに込められた知識、感動、そして喜びのために選ばれる一本です。
TORICは、遠くから注目されるために作られた時計ではありません。
近づく者にこそ報いる時計です。
文字盤の粒子を見分け、表面に光が広がる様子を観察し、プロポーションの正確さを味わい、ムーブメントのブリッジに施されたCôtes de Fleurierを見つけ、プラチナ特有の重みを感じるには、近づかなければなりません。
すべては細部に宿るのです。
生きた素材としての伝統
このTORIC Petite Seconde Platinum Morning Blueによって、Parmigiani Fleurierは1996年に始めた思索をさらに推し進めています。
メゾンは古き技を遺産として固定しようとはしません。それらを生きた素材として用いているのです。
Michel Parmigianiの修復の仕事を通じて再発見されたグレネージュは、現代的な役割を取り戻しました。ブリッジのギョーシェは古いマシンと職人の手に支えられています。手巻きはメカニズムとの直接的な関係を呼び覚まします。プラチナは輝きではなく密度によってその存在を示します。そしてMorning Blueのブルーは、時計の建築を決して凌駕することなく、全体に新たな光をもたらしています。
つまりTORIC Petite Seconde Platinum Morning Blueは、過去を懐かしむ時計ではありません。
過去を再解釈した時計なのです。
時計製作の伝統は、創造を続けてこそ本当に生き続ける。そのことを思い出させてくれる一本です。
スペック

| リファレンス | PFC940-2010008-300181 |
|---|---|
| ケース | ポリッシュ仕上げ950プラチナ、ローレット加工ベゼル |
| 直径 | 40.6 mm |
| 厚さ | 8.8 mm |
| リューズ | 6 mm |
| 風防 | 反射防止加工サファイアクリスタル |
| ケースバック | 反射防止加工サファイアクリスタル |
| 防水性 | 30 m |
| 文字盤 | 18Kホワイトゴールド、Morning Blue仕上げ、手作業によるグレネージュ |
| インデックス | ロジウムメッキ18Kゴールド製アプライド、手作業で植字 |
| 機能 | 時、分、スモールセコンド |
| 針 | 時・分針はロジウムメッキ18Kゴールド、スモールセコンド針はロジウムメッキスチール |
| ムーブメント | PF780、18Kローズゴールド製手巻きマニュファクチュールキャリバー |
| 構造 | ダブルバレル、スモールセコンド |
| ムーブメント直径 | 28.4 mm |
| ムーブメント厚 | 3.15 mm |
| 部品数 | 157 |
| 石数 | 27 |
| 振動数 | 28,800振動/時(4 Hz) |
| パワーリザーブ | 60時間 |
| 装飾 | Côtes de Fleurier、手作業による面取りを施したブリッジ |
| ストラップ | アコヤグレーのヌバック・アリゲーター、ハンドステッチ |
| バックル | 950プラチナ製ピンバックル |
| 裏蓋の刻印 | シリアルナンバー、「SWISS MADE」および「PARMIGIANI FLEURIER」 |
よくある質問
Parmigiani Fleurierの原点となるTORICコレクションのドレスウォッチです。950プラチナ製ケースに、手作業でグレネージュ仕上げを施したMorning Blueのホワイトゴールド文字盤を備えています。
18Kローズゴールド製の手巻きマニュファクチュールキャリバーPF780で、ダブルバレルを採用しています。部品数157、石数27、振動数4 Hz、パワーリザーブ60時間で、Côtes de Fleurier装飾が施されています。
直径40.6 mm、厚さ8.8 mmです。ローレット加工のベゼル、サファイアクリスタルの風防とケースバックを備え、防水性は30 mです。
文字盤に細かな粒状の明るい表面を与える手作業の仕上げ技法です。Parmigiani Fleurierが受け継ぐ歴史あるサヴォアフェールです。
PFC940-2010008-300181です。時、分、スモールセコンドを表示し、ロジウムメッキ18Kゴールド製のインデックスは手作業で植字されています。



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